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江戸時代のたばこ文化:伝播と広がり

南蛮貿易
天文12年(1543)ポルトガル人が、種子島に漂着した。この偶然以来、日欧間の貿易が行われるようになったのが南蛮貿易です。

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南蛮船
南蛮船は中国の絹や、ヨーロッパのたばこなど、珍しいものを日本に運んで来た。当時の日本人は、船といえば、和船や中国のジャンクしか見たことがなかったが、4本マストの大きな船には驚いた。

ヨーロッパから来た船は、すべて南蛮船と呼ばれている。 たとえば、全船長30m やや小型のスペインのガレオン船など。

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南蛮渡来
南蛮貿易によって、ヨーロッパのさまざまな文物が日本に伝えられた。鉄砲はよく知られているが、カボチャやジャガイモなど、いまでは完全に日本に同化している物も多くある。たばこも当時は南蛮渡来の珍しいものであった。その他、キリスト教や科学・技術など、後の日本に大きな影響を与えたものも伝えられた。

日本に伝わったもの

【主交易品】 生糸・絹織物・毛織物
【織物等】 ビロード・羅紗・更紗・皮革
【嗜好品(しこうひん)】 たばこ・ブドウ酒
【食料】 砂糖・パン・カボチャ・トウモロコシ・サツマイモ・ジャガイモ・スイカ
【武器・武具】 鉄砲・大砲・火薬
【その他】 せっけん・めがね・ガラス・遠眼鏡・ボタン・カッパ・カルタ・時計
【宗教】 キリスト教
【技術】 採鉱・精錬・印刷
【学術】 医学・天文学・音楽・西洋絵画法・地理・科学

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初期の喫煙風俗

慶長(1596〜1615)に入ると、絵画に喫煙風俗が見られるようになる。絵師の誇張と思えるものも、なかにはみられるが、喫煙風俗が珍しい異国のものとしてではなく、日本の風俗として描かれている。
このころ、早くも独自の喫煙風俗が形成されつつあったことがうかがえる。

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たばこの広がり

日本にたばこが伝来した16世紀の末以降、喫煙の風習が広がり、国内でもたばこの栽培が始まりました。一方、南蛮渡来の珍しい喫煙の風習は、当時の「かぶき者」と呼ばれるならず者たちが徒党を組むシンボルとして使われたりしたことから、江戸幕府はたばこの禁令を出しました。また、喫煙が広まるとともに、主要作物の米ではなく、たばこを栽培する農家が増えたため、幕府は、農家がたばこを栽培することを防ぐための禁令も出しました。こうしたたばこの禁令は江戸時代の初めから多く出され、厳しい罰則もみられました。

しかし、禁令にも関わらず、たばこを楽しむ人々は増え続け、たばこの耕作も広まっていきました。禁令は形骸化し、元禄期ごろを境に新しい禁令も出されなくなりました。こうして、たばこは、江戸時代の庶民を中心に、嗜好品(しこうひん)として広く親しまれながら、独自の文化を形作っていきました。

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